2017年度試行プロジェクト採択案
「名人花火師と障がいのある方のワークショップから生まれた花火」

このプロジェクトは内閣官房が行う「オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査」に関わる試行プロジェクトとして、全180件の公募の中から選ばれました。

beyond 2020

名人花火師と障がいのある方が作る花火

去る6月、日本が誇る名人花火師と、普段はフラワーアレンジメントを作っている障がいのある方がワークショップを行いました。

ワークショップには13名の方が参加してくれました。普段は一般社団法人アプローズが運営するアプローズ南青山という、障がいのある方の就労支援事業所でフラワーアレンジメントを行っている皆さんです。

混雑している場所や人混みが苦手で、花火大会に行くことが難しい方もいます。本物の花火を間近で見たことがない方もいます。そんな花火とはなかなか接点を持てなかった皆さんとのワークショップがどんなものになるのか、想像もつかない所もありましたが、皆さん熱心に花火師の話に耳を傾け、色々な質問もだされ、時には時間をオーバーするとても内容の濃いワークショップが合計4回開催されました。

そこでの知識をもとに、13名の参加者の皆さんに自由な発想で花火を思い思いにデザインしてもらいました。さすがに普段フラワーアレンジメントを作っている皆さんだけに、花の知識や花をモチーフにしたデザインには、花火師たちも驚くような素晴らしいアイディアが盛り込まれていました。
デザインをしてくれた皆さんと花火師が様々なディスカッションを重ねた結果、その中から6作品が選ばれました。この6作品は、ワークショップを担当した花火師が実際に製造を担当しました。
どんな花火ができあがったのかは、ぜひ花火大会当日に会場まで足をお運びいただき、その目でお確かめください。

東京オリンピック・パラリンピックを機に、この花火プロジェクトが心のバリアフリーを実現する一助になれば良いと、日本花火推進協力会一同切望しています。

花火でつくるバリアフリー

障がいのある方がデザインした花火を打ち上げること、そしてその花火をデザインした障がいのある方たちが実際に会場で観覧すること、また普段は来場することができない方々のために会場を用意することなどは、花火が担えるバリアフリーの可能性だけではなく、障がいのある方自身がもつ可能性も、その場に集まる多くの人に向けて発信することを可能にします。

一般社団法人日本花火推進協力会では、普段見過ごされがちな障がいのある方視点での花火会場のあり方や彼らの自己表現を、花火という日本の伝統芸術に乗せて多くの人と共有することで、日本の伝統文化の魅力とともに多様性の理解促進や共生社会の実現といったことにも貢献していきたいと考えています。

花火大会概要

「2017 NARITA花火大会 in 印旛沼」は「名人花火師と障がいのある方のワークショップから生まれた花火」を打ち上げます。

2017 NARITA花火大会 in 印旛沼

主催 NARITA花火大会実行委員会事務局
事務局 NARITA花火大会実行委員会事務局
開催日時 2017年10月14日(土)19時開演
打ち上げ場所 ニュータウンスポーツ広場(JR成田駅より路線バス)

詳細は公式サイトをご覧ください。
http://narita-hanabi.com/2017/

一般社団法人アプローズが、平成26年4月1日に開設した、東京都指定障がい福祉サービス事業所(就労継続支援B型)。大人の発達障がいなど、障がいのある方が、仲間とともにフラワーアレンジメントの技術を学びながら働く場。
アプローズの運営する花屋「BISTARAI BISTARAI(ビスターレ・ビスターレ)」では、花を通じたウェルフェアトレード※を提唱する日本初のフラワーショップとして、心から喜ばれる花束・アレンジメントを創作している。
BISTARAI(ビスターレ)とは、“ゆっくり、ゆっくり” という意味のネパール語。こころやからだに障がいのあるアーティストたちが“ゆっくり” と丁寧に完成させる作品に期待と祈りを込め“ビスターレ・ビスターレ”と名付けた。ビスターレは店舗を持たないアトリエスタイルのショップ。
贈る方や贈られる方の想いにまで心を寄せたオーダーメイドの商品をひとつひとつ手作りしている。

※ウェルフェアトレードとは“Welfare =社会貢献” と“Fair trade= 公正な取引” を掛け合わせた造語で、社会的弱者と言われている人たちの作る製品などを適正価格で購入することによる社会的支援活動のことです。

本プロジェクトは、内閣官房オリンピック・パラリンピック推進本部事務局の委託により、平成29年度オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査として実施しています。