お知らせ

2019年11月30日 土曜日

東京のあきる野市で秋川流域花火大会が開催されました。

今年初めての開催となるこの大会では、会津とおなじ花火朗読劇「祈火」の打揚をおこないました。

秋川流域花火大会で花火を打ち上げたのは、地元のホソヤエンタープライズさんでした。

秋川流域花火大会では、昼間からダンス大会なども催され、地元の方を中心に5,000名のお客さまが来場されたそうです。
昼間から様々なイベントが開催されるとあって、私たちの「触ってわかる花火展示コーナー」も昼過ぎからのスタートとなりました。
この日は本当にお天気が良く、青い空に紅葉が良く映える絶好の行楽日和。
昼間から多くのお客さまが花火展示ブースにもお立ち寄りいただきました。
この日はなんと、三尺玉も初めて展示されました。
その大きさにさすがにびっくりです!

ブースには半被をきた花火師さんが、来場者に花火の説明をしたり、一緒に記念写真を撮ったり。わんちゃん連れのお客さまは、三尺玉の前で記念撮影をしたりしていました。
わんちゃん、とってもよい子で、おとなしくポーズとってくれました!

そしてこの日は日本煙火協会のおもちゃ花火の体験コーナーも併設されました。
花火大会の会場でおもちゃ花火で遊べるなんて、今までなかったですよね!
きちんとお水の入ったバケツを用意して、危なくないようにお客さま一人一人に花火師さんがついてくれました。


秋川流域花火大会では花火朗読劇「祈火」は会津花火と同じプログラムでした。
でも、花火屋さんが違うと打ち上がる花火の演出も変わるので、また違った味わいになります。この日もあきる野障害者団体連絡協議会の皆さんと連携し、障がいを持つ方たちを招待して、花火を観覧してもらいました。
とても寒かったのですが、会場にはストーブが用意され暖をとれるようになっていて、皆さん最後まで楽しんで花火を見てくれました。


今年のプロジェクトはこれで終了です。
ご協力をいただきました全ての皆様に、心から感謝いたします。
本当にどうもありがとうございました。
来年もまた多くの障がいを持つ方たちに、花火を楽しんでもらえますように。

2019年11月2日 土曜日

福島県の第4回THE会津花火大会で花火朗読劇「祈火(いのりび)」を実施しました。

11月2日の土曜日はお天気にも恵まれ、適度に風もある絶好の花火日和りでした。
日中は暖かかったのですが、日が落ちると急に寒くなるのはさすがに東北です。

この日の花火を担当してくださったのは、福島県の菅野煙火さんでした。
16時の会場とともに、恒例の「触ってわかる花火の展示コーナー」には、多くの人が立ち寄ってくださいました。
ブースには菅野煙火さんと、今回は東京の丸玉屋さんから若手二人が応援に来てくれて、訪れる人たちに、花火のあれこれを色々と説明してくれました。
驚いたのは、会津花火には花火が大好きなお客さまが多いのか、筒のそこに込める黒色火薬はどのくらいの量を使うのですか?とか、尺玉の発射スピードはどのくらいになるのですか?など、とても専門的な質問が多かったような気がします。
そして、皆さん本当にあちこちの花火大会に行かれているようで、どこそこの何とか煙火の花火は良かったとか、何とか屋さんの花火が好きなんだとか、そんなお話を沢山お聞きすることができてうれしかったです!

この日の花火を担当してくださったのは、福島県の菅野煙火さんでした。
16時の会場とともに、恒例の「触ってわかる花火の展示コーナー」には、多くの人が立ち寄ってくださいました。
この日は会津若松市の社会福祉協議会と福島県聴覚支援学を通じて、障がい者とそのご家族が24名来場されました。
皆さん用意したバスで来場された後に、すぐに花火の展示ブースに来てくださり、菅野煙火さんから花火の説明を聞いたり、花火の模擬玉を手にして写真を撮ったりして、楽しそうに花火の前の時間を過ごされていました。
菅野煙火さんの隣では、聴覚障がいの方のために、手話で通訳をしてくれています。

すっかり日も落ちて、花火の打ち上げ開始の時間になりました。
そして会津花火での「みんなの花火」のプログラムは花火朗読劇です。
もともと、視角障がい者の方にも花火をもっと楽しんでもらえる方法を考えて生まれた、新しい花火の演出方法で、昨年の大曲の花火〜秋の章〜で初披露したしました。
今回は「祈火(いのりび)」という新作のお披露目です。
このお話は花火師3代の親子の物語です。
3代目を継いだ息子が作った初めての花火が打ち上がるというお話の中に、八重芯花火の説明や、日本の花火の特色など、今上がっている花火がどう言う物なのかを台詞の中で説明していくものです。
台詞は会場のスピーカーから流れ、花火がその台詞に合わせて打ち上がっていきます。
でも聴覚障がいの皆さんには、この台詞がきこえません。
そこで台詞はもちろん、花火のプログラムなどの会場アナウンスも、タブレット端末に字幕配信する準備をしておりました。

なのですが、本当にごめんなさい。
電波が届かず、きちんと見られなかったようです。
ここが本当に課題です。これからしっかり対策していきたいと思います。

それでも皆さん花火はとっても楽しんでいただけたようです。
見てください、この笑顔!


そしてこの楽しそうなこと!今年のナンバーワンショットです!


花火がこんなにも沢山の人に愛されていることに感動してしまいました。

さて、肝心の花火の写真もお見せしないとなりませんね。
「祈火」で上がった花火の写真の数々です。

次はみんなの花火の今年のラスト、11月30日の秋川流域花火大会です。
ここでも同じ「祈火」を打ち上げます。
花火屋さんが変わるとまた別の味わいになるはずで、今からとっても楽しみです。

2019年10月19日 土曜日

大曲の花火―秋の章―で、草月流とのコラボレーション花火が打ち上がりました。

今年の大曲の花火―秋の章―は本当は10月12日実施予定だったのですが、台風19号の影響で翌週の19日へと延期になりました。
私たちスタッフは、11日に大曲支援学校の子供達のいけばな体験教室のために、早朝から新幹線で大曲へ向かっていたのですが、途中で延期の連絡が入りました。
とはいえ、その日は前述の通り、大曲支援学校の子供達が楽しみに待っています。私たちはそのまま大曲に到着し、その足で学校へ出向きました。

<いけばな体験教室@大曲支援学校篇>

授業の終わった放課後に、草月流のいけばなを体験するために、子供たちが集まってきてくれました。
今回のいけばな体験を指導してくれるのは、草月流師範の石川先生と支部の皆さんです。
前の月にも東京の世田谷でいけばな体験教室をやりましたが、今回の生徒さんたちは中学生、高校生がメインでした。

今日皆がいける花は、花火大会で打ちあがる花火をイメージした作品です。
まずは、その花火を担当する小松煙火工業の小松社長が、花火の説明をしてくれました。
玉の中がどうなっているのかとか、どうやって花火が打ち上がるのかなどなど。
大曲は毎月どこかで花火大会があると言われるほど、花火になじんでいる地域で、支援学校の子どもたちが花火大会でプログラムの読み上げをしたりもしているそうです。
それでも皆知らないこともまだまだあって、興味深げに話を聞いていました。


花火の話が一通り終わると、今度は石川先生の出番です。
草月流のいけばなとはどんな物なのかというお話の後に、今日いけるお花、けいとう、ピンポンマム、ガーベラ、ニューササイランを紹介してくれました。
お花にも表情があって、どこが一番いい顔をしているか、お花と相談しながらいけていくんだそうです。


そして先生が見本の作品を皆の前でいけてくれました。
なんと、皆がわかりやすいように、お花を後ろからさしていくんです。
先生になるにはそういうことも勉強するんですって。


そして先生がいけてくれたのがこの3つの作品です。
皆はこの中で好きな物をいけることになりました。

そして、皆が作る時間です。
支部の皆さんにお手伝いしてもらいながら、思い思いに花を切り、いけていきます。
皆初めての経験で、すごく真剣、そして楽しそう。

花と取り組むこと1時間、皆の作品がそろいました。
そして一人一人の作品を先生が見て、良かったところやちょっと手直しをした方が素敵に見えるポイントなど、丁寧に教えてくださいました。
どの作品もそれぞれに、皆の個性があり、楽しんでいけられたことが何よりでした。

この3つの作品は、花火になって打ち上がります。
どんな風な花火が上がるのか、楽しみですね。

<大曲の花火〜秋の章〜篇>

延期になった花火大会は予定通り19日に実施となりました。
この日もあいにくの雨となりましたが、花火大会の開催には影響はありません。
当日は草月流秋田支部の皆さんが駆けつけて、先日のいけばな教室での作品を飾ってくれました。
この日に打ち上がる草月流都のコラボレーション花火のテーマは「秋を彩る」です。
石川先生がこの日に先立って、テーマに沿った3つの作品を作ってくれています。
これは世田谷の時と同じ「Lovely Autumn」「黄金の波」「竹取物語」の3作品です。

同じデザインを別の花火屋さんが上げるというのも面白いですよね。
そしてもちろん、支援学校の皆が作ったいけばな作品の花火も打ち上がります。

花火の展示コーナーにも沢山のお客さんが来て、二尺玉を持ち上げてみたり、花火の玉の仕組みの説明を聞いたりしながら、打揚時間までの時間を過ごしていました。

そして、いよいよ打揚開始の時間です。
どんな花火が打ち上がったのでしょうか?

Lovely Autumn


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大曲支援学校の子供たちの作品 1


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大曲支援学校の子供たちの作品 2


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大曲支援学校の子供たちの作品 3


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2019年10月5日 土曜日

「世田谷区たまがわ花火大会」でついに華道家と花火師とのコラボレーションがハナ開きました‼

やっと秋の気配を感じる頃になった10月5日、ついに町に草月流の華道家と花火師とのセッションが花火となってみられる日がやってきました。

花火大会の前には会場を訪れた人たちが自由に参加できる「いけばなインスタレーション」を実施しました。
今回ここで作った作品が数時間後花火になって夜空を彩ることを話すと、草月流チームの方が作成してくれた竹のオブジェに、子供も大人も「ガーベラ」「ケイトウ」「ピンポンマム」などみなさん1輪1輪想いをこめて飾ってくれて、立派な作品になりました。
さぁ、これがこの後どのような花火になるのでしょうか~?

日も暮れて花火大会が始まりました。

はじめは、先日障がいを持つ子どもたちを対象に行われたワークショップ「いけばな体験教室」ここで花火博士に認定された子供たちの手がけた作品が、花火なって空に舞い上がります。
ワークショップ終了後、参加頂いた保護者のみなさまに花火大会への要望・ご意見を伺った内容について我々もできる限りの準備をし、当日子供たちを会場に迎えました。

みんなドキドキしながら順番を待つ子供たち。
ついに、自分たちの作品が花火になった瞬間、子供たちの笑顔も「わーっ」と会場に輝きました。
終了後、「楽しくてみんなが作ったものが花火にできるのはすごいと思いました」「みて、つくってできる花火大会は素敵です」「うれしかった」「楽しかった」などみなさん、うれしい感想を沢山言ってくれました。


先日のいけばな体験教室でみんなが作った作品はこちら


そして、今日打ち上がった花火はこちら


いよいよ次は、草月流華道家・石川先生の作品「秋を彩る」が花火になって登場しました。

Lovely Autumn

植物のもつ曲線美と色のハーモニーの弾む心が花火でも表現できているでしょうか?

黄金の波

令和になって大きな輝く未来を願った姿と秋の代表菊の花が見事に花火になって再現されていますね。

竹取物語

草月の特徴の「竹」がかぐや姫のオマージュとなって空に舞いました。
右上の半円がわかりますか?これ草月流のマークの月なんですよ。
花火師のこだわり、芸が細かいです。

どの作品も見事に再現されて素晴らしい華道家と花火師のコラボレーションとして会場にいる沢山の人々の目に映りました。

最後は、数時間前に会場の皆さんが参加した「いけばなインスタレーション」が大輪の輝きを放ちました。大きな作品が広い空に輝くとともに、会場にいる人々から大きな歓声と拍手がわきました。

ご協力いただきました皆様ありがとうございました。
今回もたくさんの方々が力を合わせて実現した企画は大成功で幕を閉じました。

2019年09月22日 日曜日

障がいを持つ子どもたちを対象に「いけばな体験教室」を開催

世田谷区砧総合支所の会議室をお借りして、「いけばな体験教室」を開催しました。
このワークショップは、10月5日土曜日に行われる世田谷区たまがわ花火大会で実際に打ち上げられる花火のデザインとなるいけばなを作ってみようというものです。

参加してくれたのは、世田谷区在住の障がいを持つ子どもたちとご家族10組。
みなさん、「花火×華道コラボレーション」ってどんなことをやるんだろう、花火大会とどんな風に関わるのかな〜などなど、はてなマークとワクワクが入り交ざった表情を浮かべて集まってくれました。

そんな中始まったワークショップ。
いけばな体験教室の前に、花火のデザインを作るにあたり花火について色々知ってもらわなくては!ということで、まずはクイズ形式で花火の知識を深めて頂きました。
日本の花火はどのくらい前から始まったのだろう、どのくらいの高さまで上がるのだろう、どんな種類があるのだろう、知っているようで知らない花火の世界。大人も子どもも一緒になって元気に手を挙げながら答えを考えてくれました。

「花」の文字が使われているくらいですから、花火にはお花や植物をモチーフにした種類がたくさんあります。菊・牡丹・霞草・柳など、花火大会で必ず打ち上がるといってもいいほどです。打ち上がった花火の映像を見ながら、なんのお花の名前がついているかというクイズも出題して華道と花火の共通点を感じて頂きました。
花火の断面の模型を触ってみたり、色々な知識を吸収して見事花火博士に認定されたみなさんは、次のステップへ。

いよいよ、いけばな体験の時間となります。
草月流華道家の石川先生から、花材や道具の使い方、お花を生ける時のポイントなどのご説明を頂き、実際にお手本となるいけばなを作ってくださいました。

今回使用した花材は、「ガーベラ」「けいとう」「ピンポンマム」「ニューサイラン」。
茎の長さや葉っぱの量、活ける場所など、自由な発想で作り上げることができます。
特に「ニューサイラン」という緑の大きくて長い葉は、折り曲げたり、輪っかを作ったり、とてもおもしろい花材です。

さて、みなさんはどんな作品を作り上げたのでしょうか?

真剣な表情で製作すること1時間弱。

すばらしい作品の数々が出来上がりましたね!

最後に石川先生からひとりひとりの作品への講評を頂きました。
見事な作品が出来上がったので良い評価ばかり。みんな本当に嬉しそう!

子どもたちからは「本当にとても楽しかった!」という言葉をたくさんもらって、花火師も草月流のみなさんも、みんな笑顔でワークショップを終えることができました。

この作品が10月5日、花火になって打ち上がります。
花火大会当日は、体験教室で学んだ華道の知識を活かして、大きな大きなインスタレーション作りにも挑戦します。

これから、待ち遠しい夜をいくつ数えるのでしょう。

ワークショップ終了後に、参加して頂いた保護者のみなさまに花火大会への要望・ご意見を伺いました。

・障がい者用のトイレの設置
・「音が怖い」という可能性がある
・長時間同じ場所にいると疲れやすいので、テントやイスなどがあるといい
・広めの空間があるといい
・障がい者用の入場ルートがあるといい
・現地でフォローしてくれるようなスタッフがいるといい

など様々なお声を頂きました。
花火大会本番の課題として、可能な限り解決策を検討して、気持ちよく楽しく花火を見に来られるよう、準備を進めたいと思います。

2019年09月7日 土曜日

長野の諏訪湖でキャンピングカーを利用して新作花火競技会を楽しみました。

9月に入ったというのに暑さが柔らぐ気配のない土曜日に、長野県諏訪市で「全国新作花火花火競技大会」がおこなわれました。
諏訪湖は花火の打ち上げ場所・観覧場所として全国でも有数のロケーションです。ここの花火は毎年8月15日に行われる「諏訪湖祭湖上花火大会」が有名ですが、今回それではなく、全国の意欲ある若手の花火師さんの登竜門として、従来の枠にとらわれない斬新な発想と独創の技術で創作した“新作花火”を発表する大会です。

会場は昼間から、家族連れや浴衣を着たカップルなど沢山の人が集まっていました。そして諏訪市役所さんが提供してくれたテントの下で、毎回大好評の触ってわかる花火展示ブースをおこないました。

模擬玉、筒、花火の大きさを示したパネルなどを並べた展示コーナーは、老若男女問わず多くの人に立ち寄っていただきました。とくに大盛況だったのが2尺の大きさの模擬玉。直径60センチの玉をもって実際の重さを体験してみたり、目の前で写真を撮ったりしていました。

また、なんと今回はカナダ人のYouTuberさんがキャンピングカーでこの花火大会に参加、展示に見入るとともに熱心にスタッフにいろいろな花火の質問をしていました。
今回も愛知県の花火会社「若松屋」さんのスタッフの方々が説明いただきました。さらにスタッフの一人福田さんは、この大会に出品もしていました。

さて、あたりが暗くなっていよいよお待ちかね花火の始まりです。
約30名の花火師が以下のルールの下、音楽やナレーションと共に華麗な新作花火が諏訪湖の夜空を彩ります。

1.テーマを決める
2.テーマに沿った曲に乗せ花火を打ち上げる
3.使用する花火は5号玉5発、10号玉(尺玉)1発の合計7発のみ

たった7発でテーマを表現しなくてはならないため、通常の「花火大会」花火に比べ非常に精巧です。
例えば野球をテーマにした「変幻自在『振り子打法』」は花火が野球にボールになって空に放たれました。

先ほどのカナダ人YouTuberさんはキャンピングカー専用駐車場から友人たちと帰りの混雑を横目にゆったりと楽しく花火大会を楽しんでいました。
感想を聞いてみると「5名で社内もとても広くゆったりでる。そしてなんといってもこのキャンピングカー用の特別駐車場から見る花火は特別だった」と話してしました。

近年行楽地で行われる花火大会は遠方から訪れる人も多く、会場に余裕があっても近隣の宿を予約することが非常に難しい場合があります。そういったときに今回のようなキャンピングカー専用駐車場があれば、宿を気にすることなく日中思い切り遊び、夜は花火と満点の星の下で帰宅ラッシュに巻き込まれずに、楽しい時間を過ごすことができますね。

さてあっという間に競技も終了し、第37回全国新作花火競技会の審査結果が発表されました。どれもすべて今までにない新しい花火、あなたはどれがお気に入りですか?
来年はぜひキャンピングカーを利用して花火を楽しんでみてはいかがでしょうか?

2019年09月6日 金曜日

華道家と花火師との第2回セッションが行われました。

この日は草月流の華道家と花火師との2回目のセッションが、赤坂の草月会館で行われました。
前回はお互いに、それぞれが花火やいけばなについて、理解を深めるためのプレゼンテーションと、それに続いてのアイディアを出し合いました。
そして今回は、前回出しあったアイディアを元に、石川先生がいけばなの作品を実際に作っていただき、その解説をしていただきながら、花火のプログラムをどう作るかをディスカッションする時間です。

石川先生が作ってくださった作品のテーマは「秋を彩る」
これがそのまま花火プログラムのタイトルになります。

そして出来上がったのがこちらの3作品です。

第1章 Lovely Autumn

植物の持つ直線、曲線を意識し、楽しくなる動きがメインです。
同時に秋の花“おみなえし”でアクセントを効かせます。
それぞれの花材の質感と色のハーモニーを考えて、はずむ心を感じて頂きます。

第2章 黄金の波

元号が令和に変わり、新しい日本・脈打つ時代のうねりとさらなる勢いを感じます。
大きな夢と輝く未来を願った作品です。
しゅろと晒しビロウヤシの重なりが大きな波で、更にのばら、しだれ柳で広がりのある空間を演出。
秋の代表的な菊の花がアクセントとなります。

第3章 竹取物語

中秋の名月のまさにその日、かぐや姫は月に帰っていきました。
草月の特徴とも云える『竹』、流名にもある『月』、私たち草月流は月の世界に帰ったかぐや姫を身近に感じております。
光り輝く竹の中から小さく可愛い姫を見つけ、連れ帰り育てた竹取の翁(おきな)嫗(おうな)の、幸せに暮らしていたひとときを表現しました。
作られたのはおおよそ平安時代前期、作者は未詳、現存する最古の物語といわれ、神秘のベールに包まれています。
この作品は、かぐや姫へのオマージュとも言えます。

この作品を元に、花火師はどんな花火を打ち上げるのか、どの花にどの玉を使えるのか、作品の意図をどう表現するかなど、活発な意見交換が行われました。

このあと9月22日には世田谷区内の障がいを持つ子どもたちが、花火をテーマにいけばなを作る、いけばな教室を行います。
そしてさらに、10月2日の花火大会の本番には、会場内の巨大ないけばなのインスタレーションコーナーを設け、そこで会場に来ている子どもたちも一緒に、大きないけばな作品を作ります。

それら3つのいけばな作品が、「秋を彩る」というテーマの元に一つの花火プログラムになって、たまがわ花火大会の夜空に打ち上がります。

22日のいけばな教室も楽しみになってきました。

2019年08月17日 土曜日

愛知県刈谷市で刈谷わんさか祭り花火大会が開催されました。

熱い熱いお盆の土曜日、名古屋からほど近い愛知県刈谷市の、刈谷わんさか祭り花火大会が開催されました。
花火大会が開催された刈谷市は、地元近隣では企業城下町と言われ、トヨタ系のグループ会社の多くが、ここ刈谷に本社を構えている産業文化都市です。
この日は朝から極上の快晴で、気温がぐんぐん上がり昼には最高気温36度にまで達する猛暑日となりました。
昼から始まっているお祭り会場は、家族連れやカップルや外国人など沢山の人で大賑わいでした。
そんな中、刈谷市役所さんが提供してくれたとても広い触ってわかる花火展示ブースは、なんと大きなテント2張分です。
模擬玉や筒などを展示し、2尺玉も置かれました。

良いお天気と言うこともあり、展示コーナーは大盛況。
説明を担当するのは愛知県の花火会社の若松屋さんです。
多いときは総勢7名のスタッフが、次々とやってくるお客さまに、花火の玉の構造や打揚の仕組みなどを説明してくれました。

ご招待で来場くださった障害者のみなさまも、花火師からの説明に質問をしたり、模擬玉を触ったりして楽しそうに過ごしてくれました。

もちろん花火も素敵でしたよ。
刈谷わんさか祭りでは、花火朗読劇「儚火(はかなび)」というプログラム花火を打ち上げました。
刈谷で生まれ育った家族のお話です。おじいちゃん、お父さん、息子の会話を通して刈谷の歴史や花火の説明などが語られる、しみじみとしたお話でした。
来てくれた皆さん、楽しんでいただけたでしょうかね?

もちろん、聴覚障害をお持ちの方には、そのセリフがわかるように、スマホのアプリで字幕配信もしています。写真でお見せしたかったのですが、残念ながら撮り忘れました。
次回は必ず撮っておきます!

お盆の刈谷の夜空に上がった、美しい花火の写真を楽しんでください。

2019年08月13日 火曜日

北海道の帯広で勝毎花火大会が開催されました。

ちょっと時間がたってしまいましたが、13日の火曜日に帯広で開催された勝毎花火大会の様子をお知らせします。

この日は午前中お天気が良かったのですが、午後からちょっと曇りだし、夕方には気温も18度ほどで少し肌寒く感じるくらいでした。
広い河原に設置された観覧会場はとても整然としていて、さすが十勝毎日新聞社と思わせる素晴らしさです。
その真ん中で、大きなクレーンにつられた物体が、ひときわ異様さを醸し出しているのですが、ここから花火がビュンビュン飛び出してくるのを後で見てびっくりでした。

この日、夕方から帯広市の盲学校、聾学校に火曜生徒さんとそのご家族の皆さんが「みんなの花火〜障がい者も健常者一緒に楽しめる花火」を見に来てくれました。
この生徒さんたちは実はこの花火を作った子どもたちでもあるのです。
「みんなの花火〜障がい者も健常者一緒に楽しめる花火」の勝毎バージョンでは、花火大会に先立って、子どもたちと花火師とのワークショップを行っています。

<ワークショップ篇>

これは7月29日に帯広の聾学校で行われたワークショップの様子です。
花火師の女性が花火玉の解説をしています。
花火玉の中がどんな風になっているか模型を使って勉強しています。

花火の色々を教わった後に、聴覚に障がいのある子どもたちが、自分の手を使って思い思いに花火のイメージを作りました。
聴覚に障害がある方にとっての手は自分の気持ちを伝えるためのとても大切なものです。

その手にたくさんの思いを込めて、たくさんの絵の具をつけてペタペタ、ベタベタ。
楽しいよね、こういうの。

そしてできあがった3つの作品がこれです!

花火大会では、この絵を元にして花火師が花火をデザインしたものが打ち上がるのです。
それは子どもたち楽しみですよね。

<花火大会当日篇 >

そして待ちに待った花火大会。
当日は学校からバスで会場に向かいました。
土手の上に作られた観覧席の脇には、「触ってわかる花火展示ブース」をもうけました。
これは、視覚に障害がある方にも、花火の玉や筒を触ってもらうことで、もっと花火のことを身近に知ってもらいたいという思いで昨年の秋の大曲の花火大会から始まりました。
この日は東京日本橋の花火屋さん丸玉屋の岩野さんが、花火の玉や発射筒の説明をしてくれました。

そして日も暮れていよいよ花火です!
ドドドドーンと大きな音と光りで始まった花火大会、子どもたちばかり出なく一緒に来ている大人も大興奮。

目の前で上がる大きな花火に思わず笑顔。
みんなで一緒に見る花火は楽しいよね。
楽しい夏の思い出になってくれたかな。

2019年07月25日 木曜日

華道家と花火師との第1回セッションが行われました。

この日は草月流の華道家と花火師とのセッションが、赤坂の草月会館で行われました。
なんで華道家と花火師がセッション?と思いますよね。
これは今年の10月5日の土曜日に行われる、東京の世田谷たまがわ花火大会とその翌週の12日土曜日に秋田県で行われる大曲の花火―秋の章の2つの花火大会の準備です。
この2つの花火大会では、「華道と花火のコラボレーション」という企画を準備しています。

この企画の中では、3つのことを実施します。

1つめは障害を持つ子どもたちのいけばな体験教室
2つめは花火大会の当日に、子どもたちによるいけばなのインスタレーション。
そして3つめが華道家と花火師が作る新作花火プログラム。

今回はこの3つめのための準備です。

まずは最初の写真、草月流華道家の石川先生から、華道と草月流の歴史のご説明があり、その後様々ないけばな作品の写真を見ながら、草月流らしさや作品のテーマなどを解説してくださいました。

p>今回この企画を思いついたきっかけでもあったのですが、草月流のいけばなって花火みたいじゃないですか?
そして草月流は竹を使った作品が多いのですね。
ダイナミックでとても素敵です。

その次は花火師による花火の解説です。

様々な映像を用意して、花火の製造工程や花火の種類や花火の名前などを説明しました。

秋田の小松煙火工業の小松社長(写真右)、響屋大曲煙火の齋藤社長(写真左)が花火の製造工程を解説し、東京の丸玉屋からは女性花火師の島野さんが花火演出の方法や、花火の種類や名前などを解説してくれました。
花火師は男性ばかりではないんです、女性も活躍しているんですよ!

それぞれの解説が終わったところから、石川先生と花火師たちとのディスカッションです。

今日のこのセッションで得たインスピレーションを元に、次回のセッションまでに石川先生が春夏秋冬のいけばなの作品を作ってくれることになっています。
そして次回のセッションではその作品を元にして、新作花火のデザインを考えることになっているのです。
どんないけばな作品が出てくるのか、そしてそれがどんな新作花火になっていくのか、とっても楽しみです。

2019年07月04日 木曜日

刈谷に取材に行きました。

この写真は7月4日に刈谷市に取材に行ったときのものです。
8月17日の刈谷わんさか祭りでは、「みんなの花火〜障がい者も健常者一緒に楽しめる花火」として花火朗読劇、刈谷バージョンを行います。
刈谷バージョン、タイトルは「儚火(はかなび)です!!
この日はそのために、脚本家チームと一緒に刈谷に取材に行きました。

花火朗読劇というのは、目が不自由な方にも花火を楽しんでもらいたいという思いから、昨年私たちが新しく開発した花火のプログラムです。
ラジオドラマのような朗読劇のストーリーの中で、花火の名前や色や形や歴史などが芝居の台詞として語られていき、そのセリフに合わせた花火がうちあがるものです。
そして刈谷バージョンと言うからには、もちろん刈谷にちなんだお話しにしなくてはなりません。
そのために刈谷市の職員の方、刈谷市歴史博物館の学芸員の方にお話しをお聞きしました。
そこで刈谷という場所がどういう特色のある所なのか、刈谷の歴史や産業について、トヨタ発祥の地とはどういうことか、市民の気質はどんな感じなのかなどなど、色々なお話しをお伺いすることができました。
とても印象深かったのは、職員の方が仰っていた、刈谷の人は大人になってもあんまり刈谷から出て行かないんですよ〜というご発言でした。
刈谷はとても住みやすいところなんですね。
さて、この取材の結果、どんなお話しができあがったのか。
それは8月17日の刈谷わんさか祭りでぜひご確認ください!!

最初の写真は、外観も展示もとても素晴らしい刈谷市歴史博物館
次の写真の左のお二人は刈谷市の職員の沖さん、片岡さん、右側は刈谷市歴史博物館の学芸員の長澤さん
3つ目は、わんさか祭りの花火をあげる愛知の花火屋若松屋の佐野副社長と葛西さん
そして最後の写真はこの朗読劇の脚本家の大浜さん